樺島公民館エイドで、出発前の足のメンテをしていると、TKさんが、入って来られました。
頑張っている郷土宮崎県のランナーを確認し、軽くエールを交換し、川原エイドに向かって出発しました。
後発した往路の選手と次々と出会い、エールを交換します。やっぱ、後発のランナーはただ者じゃありません。みんな元気ピンピンです。
小生はと言えば、咽は相変わらずイガイガし、痰は切れません。
スクイズボトルにスポーツドリンクを入れ、ポケットには温かいミルクティーを入れてチビチビと咽を湿らせながらのランです。
脇岬三叉路を為石方面に直進し、暫く進むと登り急坂が現れ始めました。
トレランポールを使って、ひたすら登って行きます。
登っても登っても、どんなに角を曲がっても登り坂です。
トレランポールとシューズが乾いた音をたて、耳元で今にも潰れそうな心臓と呼吸音が機械的に木霊します。
しかし、林を斬る風の音も、遙か下の海岸から届く潮騒の音もなく、辺りには月の光がだけが静かに溢れていました。
あまりにもの静寂に、この時が永遠に続くのではないかという思いに必死に抵抗している自分が可愛くて可愛くて、それが為か、何故か、この時が永遠に続いて欲しいという思いも同時に交差していました。
そんな、非日常に酔っていると、突如の賑わいが目の前に現れました。
91km地点、旧サザンパーク亜熱帯植物園前に設営された私設エイドです。
ありがたいですね。このコースは、お店も自販機もありません。地獄で仏です。
ドリンクを頂き、「ピークはまだ先ですか。」と尋ねると、「直ぐそこです。1km位ですよ。」とのこと。
俄然スイッチが入り、お礼を告げるや否や猛烈にスタートしていきました。
あっという間に、ピークに達し、下りが見えてきました。
今の体力、下りしか走れません。
そう思うと、ガンガン走り始めました。
咽と鼻をヒューガラいわせながら、下り坂になると反射的に走っていました。
途中、自販機で給水し、走りに走ると右手に大池が見えてきました。
川原エイドまでもう少しです。最後の登りを一気に駆け下ると左手にエイドを知らせるライトが点滅していました。
■ W273_07川原コミュセンターA05
走行距離 = 98.5Km
残り距離 = 177.5Km
予定時刻 = 02時50分
通過時刻 = 01時47分
エイド05
1時間の貯金は維持できてます。
エイドでは、水餃子、チャーハン他をいただきましたが、走りすぎたのでしょうムカムカしてチャーハンは口にできませんでした。ごめんなさい。
景色も分からない深夜の走行に、疲れがピークに達してきました。
夜が明けると気分もリフレッシュするでしょう。今暫くの辛抱です。
次は、130mと120m程度の丘を越えて、茂木長崎ハウスぶらぶらまでの16.9kmです。
あと1.5km走行すると走行距離が100kmを越えます。
足のメンテをして、顔を洗って出発です。
GPSの電池切れでのデータ消失を最小限に抑えるために、とりあえず100km地点で立ち止まり一度データを保存し、GPSを再スタートさせました。
結果的には、小浜中継所まで電池は保ちました。
茂木長崎ハウスぶらぶらまで、あと15kmです。
為石から茂木までの県道34号線は枇杷ロードとも呼ばれ、枇杷畑が延々と続くそうです。
平成28年度、春のL173部門では、茂木長崎ハウスぶらぶらでジューシーな琵琶をいただいたことを思い出しました。
ところで、この為石から茂木までは山間をクネクネと縫うコースで、何時も夜間走行なので地理音痴の小生にとって、どこをどう走っているのか見当さえつきません。
そこで、頼りになるのがスマホアプリ地図ロイドなのですが、山間のためGPS信号を十分に捉えることができません。
空が開いているところを通る度に、少々ゆっくりと歩き位置を確認しながら走行しました。
ほぼ道なりのコースなのですが、さりとて目印も見つけにくい一人夜間走行。間違いなくコース上であるという確証が歩みに力強さを与えます。
ですから、次回は、日本版GPSみちびきに対応しているスマホを準備したいと思いました。
それにしても、坂道だらけのコースです。
登りはトレランポールに頼り、下りは一気に駆け出しを繰り返し、ゼイゼイいいながら走っていました。
その度に、痰が増え、痰が絡み、なんか最悪の状態でした。
それでも、歩みを止めなければ目的地に着くもの。
全長958mの立石トンネルの入口に到着したときは、茂木への希望が一気に膨らみました。
この下り坂の立石トンネルを一気に駆け下り、海岸沿いに進むと見えてきましたエイドの光。
■ W273_08茂木長崎ハウスぶらぶらA06CP05
走行距離 = 115.4Km
残り距離 = 160.6Km
予定時刻 = 05時40分
通過時刻 = 05時40分
関門時刻 = 04時47分
エイド06
チェックポイント05
貯金は、まだ50分あります。
走行距離が100kmを越えました。
第05チェックポイントをチェックし、荷物を受け取り、気分が優れずトイレに直行。
下からも上からも、何も出てきません。気分だけ最高に悪いです。
すべての荷物を放りだし、3階の仮眠室で休息させていただくことにしました。
薄暗い部屋で、すでに、5~6名のランナーが仮眠していました。
適当な余白を見つけると崩れるように倒れ込み、目をつぶりちょっとだけでも寝ようと努力しました。
身体は重く、咽が痛く吐き気がするのですが、頭だけはやたらチカチカと興奮していました。
短いような長いような時間が流れ、とにかく起きてみようという気になってきました。
トイレで顔を洗い、お腹が空いていたことを思い出し、ふらふらと1階に下りて行きました。
時計を見ると5時40分くらいでした。約1時間ダウンしていたことになります。
これで貯金は0です。でも、いわば予定通りですからと自らを慰めながらシューズを履き食事に向かいました。
スタッフさんに事情告げ、角煮麺とご飯他をいただきました。
食事をしながら、周囲の話に耳を傾けていると何だか様子がおかしいのです。
「まだ出発できない」「しかたがない、5時45分にリスタートしよう」・・・?
そう、ここ茂木では、後発16時の先頭選手が到着するまでリスタートできずに全員足止めなのです。
つまり、小生は、1時間3階で仮眠していたけれど、その間誰一人としてリスタートできていないのです。
そして、5分後の5時45分にリスタートしようとしている真っ最中に、小生は起き上がってきたのです。
なんてラッキー。守られてるなと思った瞬間です。
俄然食欲が進み、走る気満々。
そうこうしていると、後発16時の先頭選手が5時45分に計ったように到着。と同時にリスタート開始です。
小生は、食事を済ませ、足のメンテを行って、降ることの無かった雨に感謝しながら、レインウエア(ファイントラックのエバーブレスフォトンの上下)をデポジットし、代わりに防寒用ミッドシェル、ファイントラックのニュウモラップ®フーディをバックに詰め込みました。、
さらに、足のメンテ用品を入れ替えて、15分後のジャスト6時に茂木をリスタートしました。
つまり、最先頭集団から、15分遅れでのリスタートですから、やる気満々です。走る気ガンガンです。
次は、アップダウンを繰り返しながら、135m程度の丘を越えて、日見公園までの14.6kmです。
日見公園エイドでは、朝食として豚汁、いなり他がいただけるはずですから、それを励みに頑張ります。
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