2015年5月24日日曜日

萩往還A250km_完踏記_その4

 チェックシートにCP6のチェックを終え、15:00、嵐のような千畳敷を後にしました。
 日置エイドまでは、5.8kmです。
 千畳敷の急峻な坂を脚に注意を払いながら一気に下り降ります。途中、私設エイドでドリンクをいただき、雨が弱くなったのでカッパを脱ぎさらに下り降ります。
 下りだけで約4kmありますので、平地になってからは2km程度のはずなのですが、日置エイドまでは結構長く感じました。走ったり歩いたりを繰り返し、何とか日置エイドに到着しました。

 日置エイド
 走行距離 = 131.2km 
 残り距離 = 119.9km 
 予定通過時刻 = 14:00
 実通過時刻  = 16:00
 関門時間 = 18:00 
 記帳 
 エイドでは、元気のよい小中学生ボランティアさんにカップ麺を作っていただきました。 
 小中学生がたくさんいたような気がします。

 カップ麺をいただいた後、お菓子をつまみながら、おいしいお茶をいただいて暫し小休止しました。
 この後標高86mの黄波戸峠を越えて、湯本交差点までの13.6kmを走行します。
 この頃は、100歩走っては、50歩歩くを繰り返していました。実に長い道のりでした。

 正明市の交差点近くのドラッグストアに入って軟膏を購入しました。
 脚の痛みは、すでに8時間おきに鎮痛剤を服用していましたので、思ったより快調でした。
 問題は、長崎橘湾岸スーパーマラニックL173kmでも経験しましたが、お尻の擦れが尋常ではなくなり、汗が流れ当たるとしみるような痛みがするのです。
 前回の経験を踏まえ、今回は出走前に、ディクトンを塗ってはいたのですが、これだけの時間走り続けるのであれば、途中での塗り直しが必要なのでしょうね。次回は、ディクトン持参で走りたいと思いました。

 正明市の交差点を右折し、4.6km先が今回新しく設定された湯本温泉CP7です。
 なだらかな上りですが、走れない勾配ではありません。しかし、向かい風と横風が非常に強く、走れるような状況ではありませんでした。
 また、このコースは折り返しになっているため復路の選手が道路向こうを走行していますが、道路が広く声を掛け合うような状況ではありませんでした。

 強風に悩まされながら、何とか折り返し地点に到達し、横断歩道を渡って復路に向かおうとした時です。先ほど復路に着いたばかりの選手が道路向こうから大きな声で『チェックポイントは、そこですよ~』と叫んでいるのです。指さす方向を見ると、何と今渡ろうとしている横断歩道の真後ろの柵にチェックポイントが設定してあるのです。『ありがとうございます~』と大きな声で返事を返し、早速CP7をチェックしまし横断歩道を渡って復路につきました。
 程なく、往路の選手が見えたので、教えてあげなくちゃと思い、早速大きな声で道路向こうの選手に『チェックポイントはあそこです!!』と指で差し示し伝えました。
 湯本温泉エイドは、CP7から復路を150m程下ったところにありました。

 湯本温泉エイド
 走行距離 = 144.8km 
 残り距離 = 106.3km 
 予定通過時刻 = 16:20
 実通過時刻  = 18:26
 CP07 (150m手前)
 エイドでは、 みかんとバターをのせたパンをいただきました。 
 実に長い距離でしたが、途中ドラッグストアに立ち寄り気を紛らわせました。

 ここ湯本温泉エイドから、仙崎公園エイドまでは、7.4kmです。
 正明市の交差点までの約4kmは、緩やかな下り、それに往路での向かい風は、復路では追い風のはず。ということで、結構それなりに走りました。
 正明市の交差点の地下道を渡って右折して暫く進むと、薄暗くなってきたので、ヘッドランプを着用しました。
 周りが暗くなると、途端に道のりが長く感じられます。100歩走って、50歩歩く。何度繰り返しても仙崎公園エイドにたどり着きそうもありません。前後に選手の姿も見えず、焦りも感じ始めます。

 悶々とした気持ちで夜の町を走っていると、前方にピカピカバッチを発見。すでに復路の仙崎公園エイドを終え、宗頭文化センターに向かう選手でした。
 それでも、道は間違っていなかったことに安堵して、程なく到着するであろう仙崎公園エイドに向けて足を速めました。

 仙崎公園エイド
 走行距離 = 152.2km 
 残り距離 =  98.9km 
 予定通過時刻 = 17:40
 実通過時刻  = 19:45
 記帳・GPSの電池交換
 残りの距離が100kmを切りました!!
 エイドでは、コーラをいただきました。 
 仙崎は、金子みすゞ生誕の地仙崎です。
 平成25年の視察では、妻と金子みすゞ記念館に行きましたが、今日は、真っ暗で辺りがはっきりしません。


 これから、標高86mの大日比峠を越えて6km先の静ヶ浦キャンプ場で折り返してきます。
 まずは、青海大橋を渡るのですが、半端なく上りでしたし、風が強く少々気味が悪かったです。
 復路の選手と出会い始めます。『お疲れ様!!』などとエールを交換しながら進みます。小雨と靄と風の中をトレランポールを頼りに登り続けます。
 静ヶ浦キャンプ場に着けば、カレーが渡ります。カレー目当てに疲れてはいましたがズンズンと進んで行きました。

 峠を越え、小集団と合流して進みます。往復の選手が狭い道を譲り合うようにして走行しますので、一列で進みます。先頭の女性の選手のRunを追うように早歩きで進みました。
 幾つも幾つも角を曲がり、その度ごとにエイドを期待するのですが、毎回期待外れとなります。途中で、もう止めてくれと叫びだしそうな気持ちになりました。
 やっとの思いで、静ヶ浦キャンプ場に着いたと思った瞬間、雨が激しく降り始めました。

 静ヶ浦キャンプ場
 走行距離 = 158.3km 
 残り距離 =  92.8km 
 予定通過時刻 = 18:40 
 実通過時刻 = 20:47 
 関門時間 = 22:00 
 CP08 
 食事は、カレーをおいしくいただきました。
 胃腸は、まだまだ大丈夫なようです!!

 どうしても眠たい場合はここで仮眠するつもりでしたが、今回は、激しい雨と風を避けるために暫く仮眠して様子を見ることにしました。
 食事の後、本大会休憩用に用意されていたログハウスに向かいました。
 すでに、10人以上の選手が所狭しと集まっていました。入り口で、シューズを脱ぎ、トレランポールや荷物を置き、中に入るとカップ麺をいただきました。2階に上がる階段に腰掛けカップ麺をいただきました。
 そうこうしているうちに、何人も選手が入ってきます。その度に、外の激しい嵐のような風雨が聞こえてきます。『こりゃだめだ!!』と思いましたし、大会自体が中止になってくれるといいなとも思ってしまっていました。
 選手がたくさん入ってくるので、階段を上がり、暗闇の2階に行ってみると選手が4名仮眠を取っていました。そこで、小生もこの嵐の中走れるわけ無いのだからと、仮眠することに決め、何とか場所を確保して横になりました。

 30分ぐらい仮眠を取ったでしょうか、すると、1階からスタッフさんの声が聞こえてきました。『リタイアを希望する選手は、もうすぐバスが来ます。ここでの関門時間は22:00ですので、このログハウスにこの時間を過ぎて滞在した場合は関門オーバーになります。』というようなことでした。相変わらず、選手の出入りがありましたが、戸が開いたときに聞こえる外の様子に変化が現れていました。風雨が明らかに弱まっています。
 150km以上走り、40時間近くまともに寝ていない頭で、暫く考えました。食事も摂ったし、少し仮眠したので元気になった。これまでの最長不踏距離は、173kmであるが、宗頭文化センターまで行けば、それを越えることができる。
 21:40、関門20分前、レースに復帰することにしました。次の判断は、宗頭文化センターですることにしました。

 暗闇の中、ヘッドランプを頼りにカッパを着ることなく外に出ました。少し弱まってきた風と小雨が気持ちよく肌を冷やします。
 仙崎公園エイドまでの復路は6kmです。往路で道がわかっているせいか同じ時間費やしましたが復路では早く感じました。
 途中、沢山の往路の選手と会い、『お疲れ様!!』と声をかけましたが、頭の中では、残念ながら今からでは関門オーバー、でもよく頑張ったよね。と思いながら進みました。

 仙崎公園エイド
 走行距離 = 164.4km 
 残り距離 =  86.7km 
 通過時刻 = 20:00 
 通過時刻 = 22:55
 記帳 
 エイドでは、コーラをいただきました。 
 これでフル4本分を完踏しました。
 コース全体の3分の2を消化しました。

 仙崎公園エイドから、宗頭文化センターまでは、11.8km。
 このコース、仙崎公園エイドから仙崎漁港をぐるりと回る約4km程がちょっと入り組んでわかりにくい部分があります。雨が降って白線も消えかかっているでしょうから地図ロイドで確認しながら慎重に進みました、
 小雨の中、海からの風が冷たく感じられ、カッパを着込んだのもこの区間でした。 

 難所を何とかクリアして、後はほぼ一本道なのですが、前後に選手も見えず孤独で不安な長い道のりでした。
 途中、遙か前方にライトをちらつかせて走っている選手を確認し、急いで後追います。随分近づいてきたとき、その選手は、コースを外れて右方向に曲がっていきます。ひょっとして近道?!遅れを取るまいと、なお急いで追います。20m位近づいたときに、様子がおかしいことに気づきます。選手とばかり思っていた人は、まったくの民間人。自分の馬鹿さ加減に気づき、左折しコースに戻ります。無駄な走りをしてしまいましたし、追いかけられた方には気味の悪い思いをさせてしまいました。

 コースに戻り、暫く走っていると、今度は本物の選手2人に出会います。彼らは、私が来るのを待っていてくれ、私が追いつくやいなや、『このコース間違っていないですよね?!』と尋ねてくるのです。『多分間違っていないと思います。私は、少しコースアウトしましたが、宗頭文化センターは、この道沿いの右側にあるはずだから、今までになければこの先にあるはずです。』と少々説得力のない回答をしてしまいました。彼らは、その不安げな回答に少々戸惑い思案している様子でした。私も不安でしたが、行くしかないと思い先を急ぎました。

 暫く進むと、コンビニがありました。いつも通り、ガリガリ君を購入して、宗頭文化センターの位置を訪ねると、『まだまだ、随分先ですよ。』との回答でした。後から、地図で確認すると、ここから宗頭文化センターまでは、約4km先でした。
 コースが間違っていないと確認できると俄然力が湧き、100歩走って50歩歩いての弾みが付いてきました。ここまでも長かったですが、この後の4kmも実に長く感じた区間でした。

 コース右沿いに明るい建物が見えるたびに、宗頭文化センターとの思いを馳せ近づくと勘違いを何度も何度も繰り返し、ようやく宗頭文化センターに到着です。

 宗頭文化センター
 走行距離 = 176.2km 
 残り距離 =  74.9km 
 予定通過時刻 = 22:00
 実通過時刻 = 01:16 
 関門時間 = 04:00 
 記帳・荷物受取。
 人生最長不踏距離達成!!
 これまでの最長距離は、長崎橘湾岸マラニックの173kmでしたので、これより先はすべて記録更新となります。
 食事は、味噌汁とおにぎり、バナナをいただきました。

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