2017年5月30日火曜日

H29萩往還250リタイア記 その6

 跨線橋の階段使って山陰本線を渡ると、仙崎公園エイドまでは、およそ1.5km。
 ここから、1kmちょっと直進すると大きな道路が現れ、道路向こうが仙崎港になっています。
 この大きな道路を左折し、400m先の道路向かいの公園が仙崎公園エイドです。


萩往還A250km_17/32_仙崎公園
走行距離 = 152.2km 
残り距離 =  98.9km 
予定通過時刻 = 17:40 
実通過時刻 = 19:50
記帳

 残りの距離が100kmを切りました!!
 エイドでは、スポーツドリンクをいただきました。 

 仙崎は、金子みすゞ生誕の地です。
 平成25年のコース視察では、妻と金子みすゞ記念館に行きました。
 夜でよくわかりませでしたが、このエイドの道路向かいのすぐ先にあるはずです。

 これから、標高86mの大日比峠を越えて6.1km先の静ヶ浦キャンプ場で折り返してきます。
 静ヶ浦キャンプ場エイドのカレーを目指して頑張ります。

 まずは、急勾配の青海大橋(全長260m、高さ13m)を通り、青海島へ渡ります。
 復路の選手と出会います。
 「お帰りなさい。」「お疲れです。」などと、エールを送り合い、お互いに元気玉に、気力を充填し合います。

 真っ暗な中、トレランポールを使用すると交差するのがギリギリの車道脇の歩道をアップダウンして行きます。
 時折通過する自動車のヘッドランプに眼がくらみ、しばらく歩道の起伏が見えません。
 大きな峠を越えて、小刻みなアップダウンの後は、海岸線近くの道路を走行して行きます。

 H27年度も、思ったことですが、このコースを夜に走行すると、目標物がなく、静ヶ浦キャンプ場エイドが永遠に遠くに感じます。
 しかし、H26年度までは、このさらに先の鯨墓までがコースだったのですから、以前より参加されている選手は、短くなったとおっしゃっています。

 曲がり角ごとに遠くに見える明かりがエイドの明かりではないかと期待し、その都度、裏切られ、次の明かりに期待する。
 この期待と、絶望のサイクルの回数が分らなくなった所が静ヶ浦キャンプ場エイドです。
 そう思って余り期待せずに走行していると、しっかり時間が掛かってはいるものの、今年は意外と早く着いたような気がしました。


萩往還A250km_18/32_静ヶ浦キャンプ場
走行距離 = 158.3km 
残り距離 =  92.8km 
予定通過時刻 = 18:40 
実通過時刻 = 20:59
関門時間 = 22:00 
CP08 

 エイドにつくと、まず、スタッフさんより、チェックポイントの位置を知らされました。
 次に、手前のバンガロー内でカレーを受け取って外のテーブルで食べるように。なお、大盛りカレーもできますと告げられました。
 当然、大盛りカレーを注文しました。胃腸は、まだまだ大丈夫なようですし、日置エイドで余り食せなかったのでお腹がぐうぐうでした。

 それにしても、静ヶ浦キャンプ場は風の強いところです。
 余りに強い風に寒くなり、上着を着ていると、嵐のような突風に、大盛りカレーが吹き飛ばされそうになり、ひしっと掴みながらの食事となりました。
 しかし、こんなにおいしいカレーを大盛りでいただける幸せはないと思いました。もちろん完食です。ご馳走様でした。

 

 平成27年度は、荒天のため、ここのバンガローで小一時間仮眠させていただきました。
 今回は、足を休ませるために、バンガローで小休止させていただくことにしました。

 バンガローに入ると、ここでリタイアするという女医のランナーさんがおられました。
 その横に座り込み、足の手当てのために、消炎軟膏を取り出そうとしていた時の事です。
 さすが女医さん、一瞬で、私の左ふくらはぎ内側の静脈瘤を見つけられ、これはかなり大きい。治療した方が良いかもと忠告していただきました。

 さらに、両足のソックスをめくり、消炎軟膏を塗っていると、「どうしてこんな状態になったの。シューズが合わないの。と、その水膨れの大きさにびっくりされておられました。
 女医さんもびっくりした状態で走っている自分に、何故か妙な自尊心をくすぐられていました。
 今から、考えると繰り返しになりますが、インナーソックスを脱いで、テーピングかバンドエイドの大で覆い、通常のソックスだけにし、走行すれば、痛さも和らぎ完踏できたかもしれないのに ・・・ ばかだね~ ・・・

 

 22時の関門時刻直後に、バンガローを飛び出し、6.1km先の仙崎公園へ再び戻ります。
 関門ギリギリで、静ヶ浦キャンプ場に飛び込んできた選手は見ましたが、その後は、往路の選手に、会わなかったような気がします。
 もちろん、関門時刻直後に靜ヶ浦のエイドを出ましたので、この後の往路の選手は、関門アウトですが・・・。 

 みんな、どうしたっちゃろうか? H27年度も、関門時刻直後に、静ヶ浦キャンプ場を出発しましたが、かなり多くの往路の選手と交差したのを思い出していました。
 そして、関門時刻直後に飛び込んできた数人のランナーを除き、本区間では、僕が、ほぼ、最終ランナーということだよな。などと考えながら、青海島の海岸線を走行していました。

 

 ここ静ヶ浦キャンプ場でもそうでしたが、電波の通りが悪いのか、スマホの操作ミスなのか、投稿したはずの本ブログが更新されず、ブログ更新のために送ったはずのメールが未送信で大量に戻ってきていることに気づきます。ちなみに、Facebookは、dlvr.itで、ブログの更新と連動するようにしています。

 スマホは、バッテリー節約のため、通常は機内モードにし、ブログ更新のメールを送信するときにだけ機内モードを解除し、送信が終わると同時に直ぐに機内モードにしていました。
 そのため、未送信になったメールは直ぐに表示されず、幾つかのエイドで送信しようとした際に、どっと未送信のメールが届くというような状況です。

 慌てて、幾分情報が古くなった未送信のブログ更新のメールを再送信をするのですが、それさえも未送信になっていることを、ずっと先のエイドで気づいたりと ・・・ 残念な結果になっていました。

 さらに、慌てて操作するものですから、まだ、到着もしていない予定で入力していたエイドの情報メールまで送信してしまい、この状況を知らない多くのブログを見ている人に誤解を与えてしまいました。すみません。

 間違った情報を削除するにも、スマホじゃ難しいし、面倒だし、時間もない。車にはノートパソコン積んでいるので、大会が終わってからだね。などと考えながら走行していました。このことも、完踏への気力を鈍らせた原因の一つのような気がしています。

 幾つかのアップダウンを過ぎ、このコース最大の高所、大日比峠を越えると、青海大橋が程なく現れ、仙崎公園エイドが目と鼻の先になります。


萩往還A250km_19/32_仙崎公園
走行距離 = 164.4km 
残り距離 =  86.7km 
予定通過時刻 = 20:00 
実通過時刻 = 23:18

 フル4本分を完踏しました。
 コース全体の3分の2を消化しました。
 すべて、歩き通すことができれば、ぎりぎり完踏できる距離ですか?!

 エイドは、撤収中でした。
 というより、ほぼ撤収完了の状況でした。
 私に気づいたスタッフさんに、「お疲れです。エイドは閉鎖しました。宗頭文化センターまでは、12kmです。周囲に十分気を付けて、頑張ってください。」とエールをいただきました。

 次は、11.8km先の宗頭文化センター(関門時間 = 04:00)です。
 平成27年度は、雨で目印の白線が消え、コースに自信がなくて、迷ったところです。 
 今回は、地図ロイドがしっかり案内してくれるでしょう。

 暫く、岸壁沿いの道をたどっていきますが、ここが結構ぐねぐねしている箇所があります。
 H27年度は、雨のため白線が消えており、かなり不安でした。
 しかし、今年は、天候が良く目印の白線がしっかり確認でき、ほっと安心しました。

 それでも、ほぼ人しか通らないような路地を進む場所もあり、目線は常に白線を追っていました。
 最後に踏切を渡ると県道287号線に出るのですが、この踏切を渡る前の道路が砂利道で、かなり足の痛みを助長させてしまいました。
 また、足の痛み堪えながら、萩の山は、これでは耐えられないだろうなと思いました。

 県道に出た直後、前方に萩往還のピカピカバッジを2つ発見しました。
 コースが間違っていなかったことへの安堵の気持ちと追いつきたいという気持ちで早歩きで近づきます。
 ピカピカバッジは、少しずつ近づいてきましたが、足の負担は大きく、かなり辛くなってきました。

 足の痛みのため、追いかけるのはやめて、バス停で、暫く休みました。
 休みながら、宗頭文化センターから先のコースを考えていました。
 つばきの館のカレーはいただきたいものの今の足で鎖峠を越えられうだろうか?
 完踏したいが、今の足で萩の山は越えられるだろうか。それに明日も、暑くなりそうだし・・・

 まだまだ、宗頭文化センターまでの道のりは、6km以上。とてつもなく遠くに感じました。
 暫く行くと、また前方遠くに、ピカピカバッジが見えます。コンビニか自販機で、休息を取っていたのでしょう。
 目標があると、走行しやすいもの。トレランポールを使い、早歩きで後れを取らないように追いかけました。

 足の痛みを堪えて追いかけながら、宗頭文化センターでのリタイアを検討していました。
 残り4km位になったとき、前方のピカピカバッジは、1つになっていました。もう一人は遙か彼方を走行しているのでしょう。
 ついに、その選手とほぼ一緒になり1kmくらい、一緒に走行しました。

 しかし、足が痛くて遅れがちになったため、先に行くよう伝えました。
 彼も、このコースのあまりの長さに、不安そうでしたので、地図ロイドで位置を確認し、「残り2km半、直進です。まちがい無いです。」と伝えました。
 地図ロイドが役立った瞬間でした。そして、ピカピカバッジは、徐々に遠くに消えて行きました。 

 また、一人で辛い足を引きづりながら、リタイアについてあれこれ考え、残り2kmを走行しました。
 宗頭文化センター前のスタッフさんの誘導ライトが見えてからは、安堵感はでてきたものの、それからがまた、長い直線でした。



萩往還A250km_20/32_宗頭文化センター
走行距離 = 176.2km 
残り距離 =  74.9km 
予定通過時刻 = 22:00 
実通過時刻 = 01:53
関門時間 = 04:00 
記帳・荷物受取。

 食事は、味噌汁、おにぎり、山菜の煮物、バナナをいただきました。
 完食です。美味しかったです。
 さらに、差し入れのお酒も、お相伴にあずかりました。
 アルコールを口にした時点で、大きくリタイアに傾いています。

 お腹がいっぱいになった後、デポジットの荷物から着替えを取り出し、お風呂に向かいました。
 裸になって足を見ると、これはもうリタイアしかないと思いました。
 そう思うと、入浴をゆっくりと楽しみ、湯上りは、ある意味、心身ともにさわやかな気分となりました。

 入浴後、「4時に出発する人のいるので、まだまだ大丈夫。」「元気そうな顔をしているよ。」と励ましてくれるスタッフさんに、感謝しながらリタイア宣言しました。

 宗頭文化センター2階へ行くと、薄暗い大きな部屋で多くの選手が仮眠していました。
 毛布が2枚渡り、1枚を敷き毛布、もう1枚を掛毛布としてくださいとのことでした。
 床に就くと、あっという間に夢の世界となりました。

 6時に起床し、朝食をいただきました。
 これまた美味しくて、おにぎりをお代わりしました。
 宗頭文化センターでの手厚いサービスは、最高です。よほど、ゆとりのある選手か、意志の強い選手でなければ、・・・・・ ということが、よく分かりました。
 でも、よい経験をさせていただきました。

 スタッフ、選手、私設エイド、地域の皆様に感謝いたします。
 次年度で、この大会が最後になることが非常に残念です。
 是非来年度は、完踏したいと思っていますが、エントリーが叶うか、仕事とうまく折り合いが付くか今から不安です。

2 件のコメント:

  1. 初めまして。検索でやってきました、失礼いたします。
    私も今回宗頭でリタイヤしたの者でして、こちらの記事を貪るように拝見させていただきました。共感できるところが多く改めて来年への挑戦の気持ちを強くさせて頂いた気がしますm(__)m
    来年度共に250km完踏できる事を願っております。

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  2. お声がけ、ありがとうございます。
    宗頭文化センターで、同じ釜の飯を食した訳ですね。
    次年度の完踏、まずは、エントリーできることですが・・・
    今できることは、エントリーできることを祈り、日々、身体づくりと心づくりでしょうか!?
    お互い頑張りましょう!!

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